Data 360のDMOとは?DLOとの違いやデータマッピングの仕組みを初心者向けに解説

SalesforceのData 360を利用する際、「DMOとは何か」「DLOとDMOは何が違うのか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

Data 360では、Salesforce CRMや外部システムなどから取り込んだデータを、マーケティング施策やデータ分析に活用できます。

その際に重要な役割を担うのが、データレイクオブジェクト(DLO)とデータモデルオブジェクト(DMO)です。

どちらもData 360で利用するオブジェクトですが、それぞれ役割が異なります。

本記事では、DMOの基本的な仕組みやDLOとの違い、データマッピングの考え方について、具体例を交えながら初心者向けに解説します。

1. Data 360のDMOとは?

DMOとは「Data Model Object(データモデルオブジェクト)」の略称です。

Data 360に取り込んだデータを、共通のデータモデルに整理して活用するためのオブジェクトです。

Salesforce CRMや外部システムでは、同じ顧客情報であっても、システムによってデータの構造や項目名が異なる場合があります。

例えば、あるシステムでは「メールアドレス」、別のシステムでは「Email」という項目名で管理されていることがあります。

DMOを利用することで、こうした異なるデータソースの情報を共通のデータモデルに関連付け、統一された構造で扱いやすくなります。

Data 360では、Individual(個人)やContact Point Email(メール連絡先)などの標準DMOが用意されています。

2. DLOとは?DMOとの違い

DLOとは「Data Lake Object(データレイクオブジェクト)」の略称です。

Salesforce CRMや外部システムなどから取り込んだデータを保持するためのオブジェクトです。

DMOとDLOの違いを簡単に整理すると、次のようになります。

DLO:取り込んだデータを保持する

DLOは、データソースから取り込んだ情報を保持する役割を担います。

例えば、Salesforce CRMの取引先責任者オブジェクトからデータを取り込むと、そのデータを保持するDLOが作成されます。

DLOでは、取り込み元のデータ構造をもとに、氏名やメールアドレスなどの情報を管理します。

DMO:データを共通のモデルで活用する

DMOは、DLOなどのデータを共通のデータモデルに関連付けるために利用します。

例えば、Salesforce CRMのリードと取引先責任者に登録されているメールアドレスを、Contact Point Email DMOにマッピングできます。

これにより、異なるデータソースのメールアドレス情報を、共通のデータモデルとして扱いやすくなります。

DLOとDMOの違いを比較

比較項目DLODMO
正式名称Data Lake ObjectData Model Object
日本語名称データレイクオブジェクトデータモデルオブジェクト
主な役割取り込んだデータの保持共通データモデルでの整理・活用
データ構造取り込み元の構造を反映共通のデータモデルに基づく
主な用途データの取り込み・保持ID解決・セグメントなどでの活用

3. DLOとDMOはどのようにつながる?

Data 360では、データストリームなどを利用して取り込んだデータをDLOに保持し、必要な項目をDMOにマッピングします。

一般的なデータの流れは、次のとおりです。

① Salesforce CRMなどのデータソース

↓

② データストリームによるデータの取り込み

↓

③ DLO(取り込んだデータの保持)

↓

④ DMOへのデータマッピング

↓

⑤ ID解決やセグメントなどでの活用

ここで重要なのが「データマッピング」です。

データマッピングとは、取り込み元のデータ項目と、共通データモデルの項目を対応付ける設定です。

なお、DLOからDMOへのマッピングは、必ずしもデータを別の場所へ物理的にコピーすることを意味するものではありません。

4. データマッピングの具体例

ここでは、Salesforce CRMの取引先責任者に登録されているメールアドレスを例に説明します。

① Salesforce CRMのデータ

Salesforce CRMの取引先責任者には、次のような情報が登録されているとします。

  • 氏名:山田 太郎
  • メールアドレス:taro@example.com
  • 電話番号:03-1234-5678

② DLOにデータを取り込む

データストリームによって、取引先責任者の情報をData 360に取り込みます。

取り込まれたデータは、対応するDLOに保持されます。

③ DMOへマッピングする

取り込んだ項目を、利用目的に応じてDMOへマッピングします。

例えば、次のような対応付けが考えられます。

取り込み元のデータマッピング先のDMO
取引先責任者の氏名に関する項目Individual DMO
取引先責任者のメールアドレスContact Point Email DMO
取引先責任者の電話番号Contact Point Phone DMO

実際のマッピング先や項目構成は、利用するデータキットや環境の設定によって異なります。

また、データを正しく関連付けるためには、識別子やリレーションシップの設定も重要です。

5. Marketing Cloud NextでDMOが重要な理由

Marketing Cloud Nextでは、Data 360の顧客データを利用して、メール配信やマーケティング施策を実施します。

そのため、必要なデータが適切なDMOにマッピングされていることが重要です。

① ID解決で顧客データを統合するため

ID解決では、複数のデータソースに存在する顧客情報を比較し、同一人物かどうかを判定します。

例えば、メールアドレスを利用した一致ルールでは、Contact Point Email DMOなどのデータを利用できます。

適切なデータマッピングが行われていない場合、意図した条件でID解決を実施できない可能性があります。

② セグメントで顧客データを活用するため

Marketing Cloud Nextでは、顧客の属性や行動などの条件に基づいて、配信対象者を抽出できます。

セグメントで利用したいデータが適切に準備されていることで、目的に応じた条件を設定しやすくなります。

③ メール配信のパーソナライズに活用するため

Marketing Cloud Nextでは、顧客の氏名や属性などのデータを利用したメールのパーソナライズが可能です。

例えば、メール本文に顧客の氏名を差し込んだり、条件に応じて表示内容を変更したりできます。

ただし、DMOにマッピングしただけですべての項目がメールで利用できるわけではありません。データグラフなど、利用する機能に応じた設定も必要です。

6. DMOへのマッピングを確認する際の注意点

① マッピング先のDMOを確認する

同じ顧客情報であっても、項目の種類によって適切なDMOが異なります。

例えば、個人の基本情報はIndividual DMO、メールアドレスはContact Point Email DMOなど、データの用途に応じたマッピングを確認しましょう。

② 必要な項目がマッピングされているか確認する

データストリームによってデータを取り込んでいても、必要な項目がDMOにマッピングされていない場合があります。

ID解決やセグメントなどで利用する項目が適切に設定されているか確認することが重要です。

③ データ型や値の形式を確認する

マッピングする項目のデータ型や値の形式にも注意が必要です。

例えば、電話番号を国際電話番号のE.164形式で利用する場合、マッピング先の項目を指定するだけで、元の電話番号が自動的にE.164形式へ変換されるとは限りません。

必要に応じて、取り込み前のデータ整備や別途変換処理を検討しましょう。

④ 標準マッピングの内容を確認する

Marketing Cloud Nextの初期設定では、データキットによってDLOやDMOへのマッピングが自動的に準備される場合があります。

そのため、すべてのマッピングを手動で作成する必要があるとは限りません。

ただし、自動生成された設定についても、利用目的に適しているか確認することをおすすめします。

7. Data 360のデータマッピングを無料で学ぶ

Data 360のDLOやDMOについて理解を深めるには、実際の設定画面を確認しながら学ぶこともおすすめです。

株式会社シーアールエムコネクトが運営する「MCN Learning Community」では、Marketing Cloud Nextの初期設定やData 360のデータマッピングについて、動画・ナレッジ・Q&Aを無料公開しています。

Data 360の有効化やID解決ルールセットの設定なども解説していますので、ぜひご活用ください。

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まとめ

Data 360のDLOとDMOは、どちらも顧客データを活用するために重要な役割を担います。

DLOは、データソースから取り込んだ情報を保持するためのオブジェクトです。

一方、DMOは、取り込んだデータを共通のデータモデルに整理し、ID解決やセグメントなどで活用するためのオブジェクトです。

両者の違いを理解することで、Data 360のデータ取り込みやデータマッピングの仕組みを把握しやすくなります。

Marketing Cloud Nextで顧客データを活用する際は、必要なデータが正しく取り込まれているかだけでなく、適切なDMOにマッピングされているか確認することが重要です。

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