Marketing Cloud Nextとは?特徴や従来のAccount Engagementとの違いを解説
Salesforceのマーケティング製品として注目されている「Marketing Cloud Next(マーケティングクラウドネクスト)」。
従来のMarketing Cloud Account Engagementと何が違うのか、Data 360やAgentforceとはどのような関係があるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Marketing Cloud Nextの基本的な仕組みや特徴、導入を検討する際に確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。
1. Marketing Cloud Nextとは?
Marketing Cloud Nextは、Salesforceが提供する次世代のマーケティングソリューションです。
Salesforce CRMの顧客情報を活用しながら、メール配信、顧客のセグメント化、マーケティング施策の自動化、AIを活用したキャンペーン作成などを行えます。
大きな特徴は、Data 360による顧客データの活用と、AgentforceによるAI支援を組み合わせられることです。
例えば、営業部門が管理している顧客情報をマーケティングに活用し、顧客の属性や状況に応じたコミュニケーションを設計できます。
2. Marketing Cloud Nextの主な特徴
Salesforce CRMのデータをマーケティングに活用
Salesforce CRMで管理しているリードや取引先責任者などの情報を、マーケティング施策に活用できます。
顧客の業種、所属部署、商談状況などに応じて配信対象を絞り込むことで、より適切な情報提供につなげられます。
Data 360を活用した顧客データの統合
Data 360は、複数のデータソースに存在する顧客情報を整理・統合し、活用するためのデータ基盤です。
例えば、同じ顧客がリードと取引先責任者の両方に登録されている場合でも、ID解決を利用して同一人物として判定する仕組みを構築できます。
ただし、データが自動的にすべて統合されるわけではありません。取り込むデータやマッピング、ID解決ルールなどの設定が重要になります。
Agentforceによるマーケティング業務の支援
Agentforceを活用することで、キャンペーンの企画、対象顧客の抽出、コンテンツ作成などの業務を支援できます。
自然言語による指示を活用できる機能もあり、マーケティング担当者の作業負担を軽減することが期待できます。
利用できるAI機能は契約エディションや設定状況によって異なります。
3. Account Engagementとの違い
Marketing Cloud Account Engagementは、従来Pardotと呼ばれていたB2Bマーケティングオートメーション製品です。
見込み顧客の育成、メール配信、スコアリング、営業部門との連携などに活用されています。
一方、Marketing Cloud Nextは、Data 360やAgentforceを組み合わせたマーケティング施策の実行を特徴としています。
| 比較項目 | Account Engagement | Marketing Cloud Next |
|---|---|---|
| 主な特徴 | B2Bの見込み顧客育成 | 統合データとAIを活用したマーケティング |
| 顧客データ | プロスペクトを中心に管理 | Data 360のデータを活用 |
| 自動化 | オートメーションルールやEngagement Studioなど | Salesforce FlowやAI機能など |
| AI活用 | エディションに応じた機能 | Agentforceとの連携を重視 |
なお、Marketing Cloud NextはAccount Engagementの単純な名称変更ではありません。
また、Account Engagementを利用している企業が、必ずしも既存の仕組みをすべて移行する必要があるわけではありません。契約や利用可能な機能に応じて、既存製品とMarketing Cloud Nextを併用する選択肢もあります。
4. 導入前に確認しておきたいポイント
① 利用できるエディションと機能
Marketing Cloud NextにはGrowthやAdvancedなどのエディションがあり、利用できる機能に違いがあります。
また、既存のAccount Engagement契約を通じてMarketing Cloud Nextの機能を利用できる場合もあります。
まずは現在の契約内容と、利用したい機能が含まれているかを確認しましょう。
② 顧客データの管理状況
マーケティング施策を始める前に、Salesforce CRMで管理している顧客情報を確認することが重要です。
例えば、次のような点を整理しておくと、初期設定や運用設計を進めやすくなります。
- メールアドレスが適切に登録されているか
- 同じ顧客が複数レコードに存在していないか
- 配信対象を絞り込むための項目が用意されているか
- メール配信への同意状況をどのように管理するか
③ 初期設定と運用体制
Marketing Cloud Nextを利用するには、権限設定やData 360の有効化、データ連携、メール配信に関する設定などが必要になります。
特に、ID解決やデータマッピングは、後のマーケティング施策にも影響するため、仕組みを理解した上で進めることが大切です。
5.実際に初期設定を進めて分かったこと
Marketing Cloud Nextでは、初期設定の一部をアシスタントの案内に沿って進めることができます。
一方で、実際に設定を進めると、画面の操作方法だけでなく、各設定が何のために必要なのかを理解しておくことが重要だと分かります。
ID解決ルールセットの設定
ID解決は、複数のデータソースに存在する顧客情報を、同一人物として判定するための仕組みです。
Marketing Cloud Nextの初期設定では、ID解決ルールセットが自動生成される構成があります。
ただし、自動生成されたルールセットをそのまま利用する場合でも、一致ルールや調整ルールの内容を確認することが大切です。
例えば、メールアドレスを照合する場合、「完全一致」と「完全標準化」では比較方法が異なります。
こうした違いを理解しておくことで、意図しない顧客データの統合を防ぐための判断につながります。
データマッピングの確認
Data 360では、取り込んだデータをデータモデルオブジェクト(DMO)にマッピングします。
初期設定の中には、特定の項目へのマッピングが必要になる場面もあります。
例えば、電話番号の国際標準形式であるE.164形式に対応する項目については、マッピングを設定しただけで元の電話番号が自動的にE.164形式へ変換されるわけではありません。
そのため、利用するデータの形式や、SMSなどの配信チャネルを考慮して設定を検討する必要があります。
初期設定後の確認も重要
設定画面で操作が完了していても、データが想定どおりに取り込まれているか、必要な項目が利用できるかなどを確認することが重要です。
Marketing Cloud Nextの導入では、設定を完了させることだけでなく、その後のマーケティング施策に必要なデータが適切に利用できる状態を整えることがポイントになります。
6. Marketing Cloud Nextを学ぶには?
Marketing Cloud Nextは、従来のマーケティングオートメーション製品とは異なる概念や設定項目が多く、初めて触れる方には分かりにくい部分もあります。
CRMコネクトでは、Marketing Cloud Nextの初期設定や基本操作を学べる無料の学習サイト「MCN Learning Community」を公開しています。
実際の設定画面を使用した動画、機能解説、よくある質問などを掲載していますので、ぜひご活用ください。
7. まとめ
Marketing Cloud Nextは、Salesforce CRMの顧客情報、Data 360によるデータ活用、AgentforceによるAI支援を組み合わせた次世代のマーケティングソリューションです。
導入にあたっては、機能の違いだけでなく、自社の顧客データの管理状況や運用体制を確認することが重要です。
まずは利用目的を明確にし、必要な機能や初期設定の範囲を整理するところから始めてみましょう。

