Salesforceのフローとは?できることや種類、活用例を初心者向けに解説
Salesforceを利用する際、「フローとは何か」「どのような業務を自動化できるのか」「プログラミングの知識がなくても設定できるのか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
Salesforceには、さまざまな業務処理を自動化できる「フロー(Flow)」という機能があります。
フローを利用することで、レコードの登録や更新、条件に応じた処理の実行、通知の送信など、日常的に行っている業務を自動化できます。
また、Salesforceのフローは、画面上で処理の流れを組み立てる「フロービルダー」を利用して作成できます。
本記事では、Salesforceのフローの基本的な仕組みや種類、できること、具体的な活用例について初心者向けに解説します。
1. Salesforceのフローとは?
Salesforceのフロー(Flow)とは、Salesforce上の業務処理を自動化するための機能です。
例えば、次のような業務を自動化できます。
- リードが登録された際に担当者へ通知する
- 商談のフェーズが変更された際に関連項目を更新する
- 特定の条件に合致するレコードを自動的に更新する
- 指定した日時に処理を実行する
- 画面上でユーザーに情報を入力してもらい、レコードを作成する
これらの処理を手作業で行う代わりに、フローを利用して自動化できます。
フローの大きな特徴は、プログラミングコードを一から記述しなくても、画面上で処理の流れを組み立てられることです。
ただし、複雑な条件や大量のデータを扱う場合には、Salesforceのデータ構造や自動化の仕組みに関する知識が必要になります。
2. Salesforceのフローでできること
フローでは、さまざまな業務処理を自動化できます。
代表的な機能をご紹介します。
① レコードの作成
指定した条件に応じて、Salesforceのレコードを自動的に作成できます。
例えば、特定の条件を満たした取引先に対して、フォローアップ用のToDoを作成するといった処理が考えられます。
② レコードの更新
Salesforceに登録されているレコードの項目値を、自動的に更新できます。
例えば、商談のフェーズが「成立」に変更された際に、関連する管理項目を更新するといった処理です。
③ 条件に応じた処理の分岐
フローでは、条件に応じて実行する処理を変更できます。
例えば、商談金額が100万円以上の場合と、100万円未満の場合で、異なる処理を実行することができます。
このような条件分岐には「決定(Decision)」という要素を利用します。
④ メール通知などの送信
条件に応じて、担当者などへ通知を送信できます。
例えば、新しいリードが登録された際に、営業担当者へメール通知を送信することが考えられます。
実際の送信方法や利用できるアクションは、Salesforce組織の設定によって異なります。
⑤ 指定したタイミングでの処理
フローでは、指定した日時やスケジュールに基づいて処理を実行することもできます。
例えば、毎日決まった時刻に条件に合致するレコードを確認し、必要な項目を更新する処理などが考えられます。
3. Salesforceのフローの主な種類
Salesforceには、実行するタイミングや目的に応じて、複数の種類のフローが用意されています。
ここでは、初心者が最初に理解しておきたい代表的な種類をご紹介します。
① レコードトリガーフロー
レコードトリガーフローは、Salesforceのレコードが作成・更新・削除された際などに、自動的に実行されるフローです。
例えば、次のような処理に利用できます。
- 新しいリードが作成された際に担当者へ通知する
- 商談のフェーズが変更された際に項目を更新する
- 取引先責任者の情報が更新された際に関連する処理を実行する
Salesforce CRMの業務自動化で利用する機会が多いフローです。
② 画面フロー
画面フローは、ユーザーが画面上で操作しながら処理を進めるフローです。
例えば、ユーザーに必要な情報を入力してもらい、その内容に基づいてSalesforceのレコードを作成できます。
入力フォームや確認画面などを組み合わせることで、複数の操作を一連の流れとして案内できます。
③ スケジュールトリガーフロー
スケジュールトリガーフローは、指定した日時や頻度に基づいて自動実行されるフローです。
例えば、毎日決まった時刻に条件に合致するレコードを抽出し、項目を更新するといった処理に利用できます。
レコードの変更をきっかけとするのではなく、設定したスケジュールを基準に実行される点が特徴です。
④ 自動起動フロー
自動起動フローは、ユーザーに画面を表示せず、バックグラウンドで処理を実行するフローです。
例えば、別のフローから呼び出して、共通の処理を実行する場合などに利用できます。
なお、Salesforceには、このほかにもプラットフォームイベントなどをきっかけに実行されるフローがあります。
4. Salesforceのフローの仕組み
Salesforceのフローは、主に「開始条件」「処理」「条件分岐」などを組み合わせて作成します。
例えば、次のような流れです。
① 開始条件
新しいリードが登録される
↓
② 条件を確認
リードの所在地が「東京都」かどうかを判定する
↓
③ 条件に応じて処理を分岐
東京都の場合のみ、次の処理へ進む
↓
④ アクションを実行
営業担当者へ通知を送信する
このように、フローでは処理を順番に組み合わせることで、業務の自動化を実現できます。
5. Salesforceのフローの具体的な活用例
① 新規リード登録時の担当者通知
Webサイトなどから新しいリードが登録された際に、営業担当者へ通知するフローです。
新規リードの登録をきっかけに自動通知することで、担当者が登録状況を確認しやすくなります。
② 商談フェーズに応じた項目更新
商談のフェーズが変更された際に、関連する管理項目を更新するフローです。
例えば、商談のフェーズが「成立」に変更された際に、社内管理用の項目を自動更新するといった処理が考えられます。
③ 一定期間経過後の処理
レコードに登録されている日付を基準に、一定期間が経過した後で処理を実行することもできます。
例えば、リードの特定の日付から30日後に、条件を確認してチェックボックス項目を更新するといった処理です。
このような場合は、レコードトリガーフローの「スケジュール済みパス」を利用する方法があります。
スケジュール済みパスでは、レコードの変更や日付項目などを基準に、指定した時間が経過した後で処理を実行できます。
ただし、既存レコードへの適用や、途中で条件が変更された場合の動作については、設計時に確認が必要です。
④ キャンペーンメンバーの管理
Salesforceのキャンペーンを利用している場合、特定の条件に合致するリードや取引先責任者をキャンペーンメンバーとして登録する処理なども考えられます。
これにより、マーケティング施策の対象者管理を効率化できる場合があります。
ただし、同じ人物が重複して登録されないようにするなど、運用上の注意も必要です。
6. Salesforceのフローの作成方法
Salesforceのフローは、「フロービルダー(Flow Builder)」という画面で作成します。
ここでは、一般的な作成の流れをご紹介します。
STEP 1:Salesforceの設定画面を開く
Salesforceの設定画面を開き、クイック検索で「フロー」と入力します。
表示された「フロー」を選択します。
STEP 2:新しいフローを作成する
「新規フロー」を選択し、作成するフローの種類を指定します。
例えば、レコードの登録や更新をきっかけに処理を実行したい場合は、レコードトリガーフローを選択します。
STEP 3:開始条件を設定する
フローを実行する条件を設定します。
レコードトリガーフローの場合は、対象オブジェクトや、レコードの作成・更新などの実行条件を指定します。
STEP 4:必要な処理を追加する
フロービルダーの画面上で、必要な要素を追加します。
例えば、次のような要素を利用します。
- 決定:条件によって処理を分岐する
- レコードを取得:Salesforceのレコードを検索・取得する
- レコードを作成:新しいレコードを作成する
- レコードを更新:既存のレコードを更新する
- アクション:通知などの処理を実行する
STEP 5:保存して動作を確認する
フローを保存したら、デバッグ機能などを利用して動作を確認します。
想定した条件で処理が実行されるか、意図しないレコードが更新されないかなどを確認することが重要です。
STEP 6:フローを有効化する
動作確認が完了したら、フローを有効化します。
有効化したフローは、設定された条件に従って実行されます。
本番環境で有効化する前に、可能であればSandbox環境などで十分にテストすることをおすすめします。
7. フローを作成する際の注意点
① 意図しない処理が実行されないようにする
フローの開始条件が広すぎると、想定していないレコードに対して処理が実行される可能性があります。
対象オブジェクトや実行条件を適切に設定しましょう。
② 複数のフローの影響を確認する
同じオブジェクトに複数のフローが設定されている場合、それぞれの処理が影響し合う可能性があります。
既存の自動化設定を確認し、重複する処理や意図しない更新が発生しないように注意しましょう。
③ 大量データの処理に注意する
Salesforceには、1回の処理で実行できる操作や利用できるリソースに制限があります。
大量のレコードを扱う場合は、処理方法や実行タイミングなどを考慮して設計することが重要です。
④ エラー発生時の対応を考える
フローの実行中にエラーが発生する場合があります。
必要に応じて障害パスなどを設定し、エラーの内容を確認できるようにしておきましょう。
⑤ 本番環境での有効化前にテストする
フローは、設定によってSalesforceのレコードを自動的に作成・更新します。
そのため、本番環境で有効化する前に、想定した条件で正しく動作するか十分に確認しましょう。
8. SalesforceのフローとMarketing Cloud Nextの関係
Marketing Cloud Nextでは、Salesforce CRMの顧客データを利用してマーケティング施策を実施します。
Salesforceのフローを活用することで、顧客情報の更新やキャンペーンメンバーの管理など、マーケティング施策に関連する業務を自動化できる場合があります。
例えば、特定の条件に合致するリードをキャンペーンへ登録し、配信対象者の管理につなげるといった活用が考えられます。
ただし、SalesforceのフローによるCRMデータの処理と、Marketing Cloud Nextのメール配信機能は、それぞれ役割が異なります。
実際のメール配信に必要な設定や配信対象者の管理方法については、利用するMarketing Cloud Nextの機能に応じて確認しましょう。
9. SalesforceとMarketing Cloud Nextを無料で学ぶ
Salesforce CRMのデータをマーケティングに活用するには、リードや取引先責任者、キャンペーンなどの基本的な仕組みを理解しておくことも重要です。
株式会社シーアールエムコネクトが運営する「MCN Learning Community」では、Marketing Cloud Nextの初期設定やData 360、セグメントなどについて、動画・ナレッジ・Q&Aを無料公開しています。
Salesforce CRMの顧客データをマーケティング施策に活用したい方は、ぜひご活用ください。
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まとめ
Salesforceのフローは、レコードの作成・更新や通知の送信、条件に応じた処理など、さまざまな業務を自動化するための機能です。
フロービルダーを利用することで、画面上で処理の流れを組み立てながら、自動化の設定を行うことができます。
また、レコードトリガーフローや画面フロー、スケジュールトリガーフローなど、目的に応じた種類が用意されています。
フローを活用することで、日常的な手作業を減らし、業務の効率化や運用ルールの統一につなげられます。
ただし、フローを作成する際は、開始条件や既存の自動化設定、エラー発生時の対応などを十分に確認することが重要です。
まずは簡単な処理からフローを作成し、Salesforceの業務自動化に活用していきましょう。

